モートン病

― 足の指のつけ根にしびれ・痛みがある方へ ―

● モートン病とは？

モートン病（Morton's neuroma）は、足の指の付け根（特に第2〜3趾、第3〜4趾の間）に起こる神経障害です。

• 足趾のしびれやジンジンする感覚

• 足の裏に焼けるような痛み（灼熱感）

• 長く歩くと痛みが増し、靴を脱ぐと楽になる

• 足の指に力が入りづらい・踏ん張れない

このような感覚異常や運動障害が特徴で、中高年の女性に多く見られる疾患です。

● 一般的に言われている原因

足の指へと伸びる神経は、中足骨（足の甲の骨）をつなぐ**靭帯（深横中足靭帯）**の下を通過しています。

以下のような動作・習慣でこの神経が地面と靭帯に挟まれて圧迫されることで炎症を起こし、モートン病が発症します：

• ハイヒール・パンプスの常用

• 中腰やしゃがんだ姿勢の長時間継続

• 前足部（足の指のつけ根）に負担がかかる動作

• 足裏のアーチの低下（扁平足気味）

一般的な対処法：

• インソールや足底板によるアーチ補助

• 消炎鎮痛剤や注射などの薬物療法

• 手術（神経剥離など）は重症例に限られます

宮島治療室の見解と施術方針

● モートン病は「足裏の問題だけ」では改善しません

当院では、モートン病の症状を「足裏のアーチの低下や靴の問題」といった局所的な問題だけに限定せず、全身のバランスと連動性の乱れとして捉えています。

中でも、以下の部位に注目しています：

【1】ふくらはぎの緊張と“承山”のしこり

ほとんどのモートン病の方に共通するのが、痛みの出ている側のふくらはぎの強い張りです。

特にアキレス腱との境目（東洋医学で「承山（しょうざん）」と呼ばれるツボ）に、小さなしこり状の硬結ができていることが多く、ここを緩めることで症状が大きく改善します。

✅ 軽症の方は、ふくらはぎをセルフマッサージするだけでもかなり楽になるケースも！

【2】腰椎の回旋異常がふくらはぎを硬くする

実はふくらはぎの張りは、「腰椎（腰の骨）の捻じれ（回旋）」と深く関係しています。

• 左足に症状がある方は、仰向けで両膝を立て、右に倒すと腰の動きに左右差が出ることが多い

• 腰の回旋障害は、ふくらはぎの緊張を高め、モートン病の症状を引き起こしやすくします

【3】頚椎（首）との連動性

腰椎と頚椎は、どちらも体の前弯カーブを担う「兄弟関係」のような構造。

• 腰椎の動きが悪い人は、首の回旋にも問題があるケースが多い

• 首の可動域を改善することで、腰椎・ふくらはぎの緊張も緩みやすくなります

【4】内臓からの影響も考慮します

東洋医学では、モートン病のような末端部のトラブルにも内臓機能の低下が関係していると考えます。

特に多いのが：

• 胃腸の不調（内臓下垂や消化力の低下）

• 骨盤内臓の圧迫により、下肢の血流障害を引き起こしているケース

宮島治療室の施術ポイント

• ふくらはぎ（承山）の鍼治療・手技療法

• 腰椎・頸椎の可動域改善

• 肩・背中の緊張をとることで体全体の連動性を高める

• 東洋医学的な視点での内臓アプローチ

● 症例紹介

◉ 30代女性：5年間悩んだモートン病の改善例

主訴：

• 左足第2〜3趾のつけ根に感覚異常

• 地面を踏む感覚が乏しい

• 長く歩くと痛みが出る

病院では「付き合っていくしかない」と言われ来院。

初診時の評価：

• 足裏アーチには大きな問題なし

• 左ふくらはぎの強い張り

• 腰椎の回旋障害

• 左肩（肩井）の強いコリと、背面全体の緊張

施術経過：

1. 肩の施術 → 腰の可動域が改善 → 立位で踏み込みの感覚が半分以上回復

2. 「承山」への鍼施術 → 立った瞬間に痛みが大幅軽減

3. 同様の施術を3回実施 → 症状の戻りなしで終了

考察：
学生時代の剣道の構えによる腰の回旋癖とふくらはぎの緊張が長年残り、症状を引き起こしていたと推察。

また、肩こりとふくらはぎの緊張には強い相関関係があり、それを同時に緩めることで根本改善につながりました。

📌 最後に：モートン病でお悩みの方へ

• 足の指のしびれが続く

• インソールや靴を変えても改善しない

• 病院で「治らない」と言われた

そんな方こそ、全身の連動を整える宮島治療室の施術を試してみてください。
症状の改善だけでなく、再発しにくい身体づくりをサポートします。